水曜日午前中の漢方外来では、一人一人の病状、体質をきちんと見極めて漢方治療を行っており、日本東洋医学会の基準をクリアした漢方専門医が担当いたします。
具体的には、その人のその時点での自覚症状と、脈診、腹診等の診察によって得られた他覚所見とを総合し、これを東洋医学独特の病態観 (陰陽虚実、気血水、五臓論、六病位、等) に照らして“証”を診断して、これに基いて処方を選択する、と云う流れになります。これが漢方本来の伝統的な方法であり“随証治療”と云います。
しばしば「風邪には‥」「更年期障害には‥」と云う具合に、病名と特定の処方を短絡させる様な実情も耳にしますが、これでは漢方の実力はほとんど発揮出来ません。
漢方の本当の力は上に述べた随証治療によって始めて発揮されるものであり、当院はこの原則に従う事を基本的な立場としております。
実際に漢方が得意とするのは、西洋医学では良い治療法がない、また副作用が心配である、等の場合ですが、使用範囲は臨床のほぼ全科目にわたります。